久しぶりにこのCDを聴いています。
サクソフォン奏者中村均一さんの一音一音に魂の入った自主制作CDで、心が洗われます。
昨年(2019年9月)の演奏会の際に購入したものです。
約1週間生死をさまよい、記憶は無く呆然とする
中村さんは、2017年7月に滞在先の八戸で急性解離性大動脈瘤になり、1週間ほど生死の境をさまよいます。
緊急の手術は15時間に及び、意識の回復は約1週間後でした。
左手にはまひが残り、人さし指しか動きません。
指が動かなければ奏者として復帰することは困難です。
そのためリハビリを開始し、ご本人の努力と、医師たちの懸命な治療、励ましにより快方に向かい、倒れてから約1カ月後に退院したのです。
その時の様子をCDジャケット内でこう振り返っています。
「中村さん起きてください」
どこからか声がする「中村さん起きてください
あなたは7月8日 ちょうど1週間前急逝解離性大動脈瘤を発症して
緊急手術を行いました
今日は7月14日です
お母様とお姉様が今こちらに向かっているところです」:
まる一週間の記憶は無く呆然とする
ここはICU緊急医療室なのだろうか
口には太い呼吸器のようなものが差し込まれ、
身体からもチューブのようなものが何本も出ている
再びサクソフォン奏者として
退院後、再びサクソフォン奏者として活動ができるようになるまでに回復した中村さん。
回復を支えてくれた方達へ感謝の気持ちを表したいと、このCD「八戸でみたゆめ」を制作します。
同タイトルのコンサートも実施され、CDの販売収益などと合わせて、緊急医療に携わる団体などにチャリティーされています。
私も実際に公演も見させていただき、お話を伺い、生の演奏で感動し、帰宅後CDを聴いて再び感動したのでした。
復帰を支えた方に捧げされる一曲、一音
CDにはポップス、ジャズ含めポピュラーなものばかり13曲が納めされています。
奏者として復帰するまでには、多くの方に支えられたそうです。
入院中弱気になったら強い言葉で叱ってくれたNさん
復帰できますかねとお聞きすると誰もそれはわからないと答える中
そっと”私復帰できると思うよ”と囁いてくれたYさん退院後しばらくして元気になった時ご挨拶にお伺いしたらぽろぽろ泣いて喜んでくれたKさん
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など、納められている曲それぞれが、復帰までを支えてくれた看護師、ドクター、リハビリの方など一人一人に捧げる曲となっています。
CDジャケット内には、曲名の後ろに誰に捧げるかも書かれています。
渾身の一曲、一音、普通のロングトーンの中にも魂が入った演奏で、感動します。
人生は予想のつかないドラマ
そして、CDジャケットは最後にこう締め括られています。
誰でも明日人生を終わらせる病に倒れるかもしれない
人生は予想のつかないドラマに溢れ、ビックリすることも起きる
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私にとって人生で最大の困難であったが 皆さまに出会い経験したことは一生の宝物である
この病気が無ければ大切なことの意味も判らないまま過ごしていたかも知れない
心からお礼を申し上げます
ありがとうございます
まさに、
だと思います。
これから再びのご活躍を願っています。
機会があればぜひお聴きください。
CDの売り上げ収益はすべて緊急医療等の団体へ寄付されます。
CDは数量が限られていますが、下記の「中村均一 〜八戸でみたゆめ project〜」サイト「お問い合わせ」よりお問い合わせいただくと入手できます。
また、ガーシュインの曲を集めたアルバムがAppleMusic内にあります。
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