秋晴れの休日の午後、札幌市北区にある屯田防風林を訪れました。
札幌市北区にある屯田防風林は、屯田地区と新琴似地区の境界に伸びる、防風林です。
強風から農作物を守ろうと、屯田兵がコの字型に自然林を残して作った防風林の一部と言われています。
大正時代に入り、ポプラやヤチダモの木が植えられた防風林は、風害から農作物を守り、水田のための用水路も作られるなど、人々の生活に欠かせないものでした。
現在はこの他にも、ハルニレ、ナナカマド、白樺などが植えられ、全長8キロに及ぶ防風林は、住宅地が増え地域住民の憩いの場としても活用されています。
屯田防風林を中心とした様々な楽しみ方
この屯田防風林はその美しさ、歴史的背景などから様々なウォーキングコースなどに登録されています。
- 美しい日本の歩きたくなるみち500選「札幌・屯田防風林のみち」 (日本ウオーキング協会)
- 北区歴史と文化の八十八選「森と歴史の道」 (札幌市北区)
- 太平百合が原フットパス「屯田防風林パス」 (太平百合が原フットパスの会)
- 札幌周回ウォークウェイ「屯田防風林パス」 (小川浩一郎著 北海道フットパスガイド(1))
今回のコース
今回は、太平百合が原フットパス「屯田防風林パス」をちょっとアレンジして、北区歴史と文化の八十八選「森と歴史の道」を巡りました。
札幌市営地下鉄南北線の終点麻生駅からJR札沼線(学園都市線)新琴似駅までを歩いてスタートして、屯田防風林(ポプラ通り)へ。
屯田防風林を楽しみ、屯田西公園、屯田みずほ通り、屯田郷土資料館、各種碑を巡り、JR百合が原駅がゴールです。
途中、偶然、美味しいお蕎麦屋さんを発見しました。
マップ
みどころ・スポット
JR新琴似駅
この日の午前中は『北区歴史と文化の八十八選「文学と学問の道」』で北海道大学周辺を巡っていました。
その後、札幌市営地下鉄南北線北18駅から麻生行きに乗り、麻生駅から新琴似駅まで少し歩きました。
JR札沼線(学園都市線)の新琴似駅からスタートします。
住宅街の中を北に向かって進みます。こちらも紅葉が見頃を迎えていました。
住宅街を進んでいくと屯田防風林が見えてきます。
45.屯田防風林
住宅街のすぐ横に防風林が突如現れます。
大正時代に作られたと聞いていますが、その後年月が過ぎ、木々も大きく成長していることがよくわかります。
その当時は畑の中にこの防風林があったのだと思いますが、今では畑などは無く、住宅街の中にこの防風林は存在しています。
防風林の道路挟んだ向かい側って住宅なんだよね。今では住宅が守られているのかな。すごいよね。
この防風林の中の遊歩道を通って、屯田西公園までしばらく住宅街の中の自然を楽しみます。
陽の中で木漏れ日があり、鳥がさえずり、風によって木や葉が擦れる音が聞こえます。
街の中の防風林は異次元空間だなと感じました。
途中、小さな池?なのか、水の流れでたまたま溜まっているのか定かではありませんが、水場がありました。
そこでは大きなカモが休んでおり、人馴れしているか、びくともせず、悠々としていました。
札幌の街の中とは思えない光景ですね!森のようですものね。
屯田西公園・46.植樹碑・47.はたちのつどい記念塔
全長8kmにも及ぶ屯田防風林の終点に屯田西公園があります。
野球場やプール、テニスコートなどとても施設が充実している公園です。
この日も多くのかたが野球やテニスで汗を流していました。
その公園の中に、札幌すずらんライオンズクラブが公園内にサクラの木約1000本を植樹した記念に建てられた「46.植樹碑」と、はたちのつどい記念事業として建てられた、タイムカプセル入りの記念塔である「47.はたちのつどい記念塔」があります。
タイムカプセルを開けるのはいつなのでしょうね?
48.屯田みずほ通り
屯田西公園を過ぎて、さらに進みます。安春川に行き当たるので、右折して安春川沿いを進みます。
ほどなく、バス停「屯田6条12丁目」があるので、その手前が「48.屯田みずほ通り」の入り口です。
「屯田みずほ通り」は、この場所にあった長年稲作を支えた灌漑溝跡に作られた通りです。
緑地になっているので、木が立ち並び、木漏れ日が心地よく、紅葉もキレイでした。
49.屯田の太陽・50.屯田郷土資料館
「屯田みずほ通り」を道成に進むと右手に「50.屯田郷土資料館」とその敷地内に「49.屯田の太陽」があります。
「屯田郷土資料館」で北区の開拓の歴史を垣間見ようとしていたのですが、事前調査不足で、改修工事の真っ最中のため閉館中。敷地内に入ることもできず、「49.屯田の太陽」も遠くからの撮影となってしまいました。
「また、来いよ!」ということだな…
そば処松盛庵
「49.屯田の太陽」と「50.屯田郷土資料館」が残念な感じで、お腹がすきました。
すぐ近くに「そば処松盛庵」さんというお蕎麦屋さんがあったのでお昼をいただくことにしました。
すでに13時半をすぎたあたりだったのですが、混雑していました。この辺では人気のお店なのでしょう。
ハーフの冷やしたぬきとハーフの豚丼をいただきましたがどちらも美味しかったです。
創業者の現会長(シャチョーと呼ばれている)さんが達筆なで、レジではご覧のような素敵な葉書が置かれ、配られていました。
会長なのにシャチョーって呼ばれてるのか?おもしろいな。
シャチョーさんは、地域貢献にも力をいれていて、有志によって防犯パトロール隊などの活動をされています。
また、昨年開店30年ということで、クイズも行っていて正解すると抽選でそば茶をプレゼントという企画も実施されていたので、早速回答をしました。回答した途端にシャチョーさんからすぐにお返事をいただいて、メールでやりとりをさせていただいた後に、そば茶が郵送されてきました。ありがとうございます。美味しくいただきました。
51.「屯田兵第一大隊第四中隊本部跡」の碑・52.篠路兵村「開拓碑」・53.水田開発記念碑・54.屯田兵顕彰之像・55.馬魂之像
「そば処松盛庵」さんから、「屯田みずほ通り」に別れを告げ、「東15丁目屯田通り」へ向かいます。
「東15丁目屯田通り」は片側2車線の大きな通りです。その交差点のところに「54.屯田兵顕彰之像」などがまとまってあります。
まとまっていてすごいですね。ここがそれだけ重要な場所だったということなんでしょうね。
51.「屯田兵第一大隊第四中隊本部跡」の碑:屯田の開拓を進めた第四中隊の本部が建っていた地点を明確に示すため、屯田開基百年を機に昭和63年(1988年)に建てられました。
52.篠路兵村「開拓碑」:明治22年(1889年)、篠路村(現屯田)に屯田兵が兵村を開設したのを記念し、開基40周年の昭和3年(1928年)に建立されました。
53.水田開発記念碑:農業経済を立て直そうと始められた水田開発から45年になるのを記念し昭和33年(1958年)に建立されました。
54.屯田兵顕彰之像:この地を開拓した屯田兵の功績をたたえ、屯田開基100年記念の際に建立されました。
55.馬魂之像:農耕につくして倒れた馬魂の慰霊碑です。屯田開基100年を記念し建てられました。
56.篠路兵村「移住記念碑」・57.屯田開基九十周年記念顕彰碑・58.望郷のアカマツ
56.篠路兵村「移住記念碑」、57.屯田開基九十周年記念顕彰碑、58.望郷のアカマツは、先ほどの記念碑がある場所の道路を挟んだ向かい側にある江南神社の境内にあります。
訪れた際になぜ”江南”なのかと思っていました。入植された方々の故郷の名前からとった?などといろいろと考えていましたが、そうではなかったです。
59.馬霊神蕾●(らいか)号の碑(●は馬偏に「華」)・60.馬霊第七王●(おうか)号之碑(●は馬偏に「華」)
開拓期に功績のあった馬の記念の碑がひっそりと置かれています。
どのような馬だったのか私は詳しくはわかりませんが、「北区歴史と文化の八十八選」に選ばれているという点では、特別な功績や成果があった馬なのでしょう。
創成川
馬の記念碑を過ぎ、創成川を超えて石狩街道を渡ります。
創成川沿いに立つポプラがとても美しいです。
ここまでくるともうすぐゴールです。
JR札沼線(学園都市線) 百合が原駅
石狩街道を過ぎて、太平地区の住宅街の中を通ります。
ほどなく、JR札沼線(学園都市線)の百合が原駅に到着です。
歩き始めてから昼食を含めちょうど3時間半くらいです。
秋の夕暮れは早いもので陽もちょうど落ちてきました。今日もよく眠れそうです。
最後に
今回、一度みたいと思っていた屯田防風林を含めて「北区歴史と文化の八十八選」の「森と歴史の道」を巡りました。
屯田防風林は各種のコースなどに選出されるだけあって、とても美しく、住宅街の中にあるとは思えない非日常空間でした。
屯田地区の防風林は最初にご覧いただいたように屯田地区を囲むように造成されています。
地図上ではこの左側(西側)には石狩市花川地区があり、花川地区の防風林もあります。
また、太平百合が原フットパスは他にも多数のコースがあるので、いずれ訪れてみたいと思います。
(2019.10.20)
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